妊娠中・授乳中のかたへ
当地域は子育て世代が多く住んでいる地域です。妊娠中・授乳中の患者さんが風邪やインフルエンザ、胃腸炎等で産婦人科に相談すると「内科に相談するように言われました」と当院を受診されることも多いです。必要によりお薬を処方しますが、「お腹の赤ちゃんには影響は無いですか?」「授乳中ですけど子供に影響は無いですか?」と当然皆さん心配されます。
殆どの内服薬の添付文書には「妊娠中も安全です!」とか「授乳中も安全です!」とは記載されず「妊娠中は避けること」とか「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とか記載されています。じゃあどの薬なら安全なんだ??と路頭に迷ってしまいます。松村医院ではエビデンスに基づいた、歴史的検証が行われ安全性が証明されている薬を選択し、患者さんに十分な説明をした上で治療しています。状況によっては、主治医の産婦人科の先生に電話相談のうえ処方することもあります。
<感冒>
総合感冒薬は使用せず、症状に応じた薬を選択します。葛根湯・小青竜湯は安全に使用できます。発熱の際はアセトアミノフェンが安全に使用できます。
<インフルエンザ>
インフルエンザはなによりワクチン接種が大切です。妊娠中でも接種が推奨されています。妊娠中・授乳中にインフルエンザに罹患したら、タミフルでの治療が可能です。
<新型コロナ感染症>
新型コロナ感染症もなによりワクチン接種が大切です。妊娠中の接種も推奨されています。妊娠中・授乳中に感染した場合、感冒の治療と同様に漢方薬やアセトアミノフェン等で治療しています。
<胃腸炎>
ウイルス性胃腸炎であれば整腸剤・五苓散等で治療します。食中毒・細菌性胃腸炎の場合は、妊娠中・授乳中でも安全に使用できる抗生剤を併用する場合もあります。
<花粉症・アレルギー>
アレグラ・ザイザルは妊娠中・授乳中に安全に使用できると考えられています。
<ワクチン>
インフルエンザ、コロナワクチン等妊娠中でも安全に接種ができるワクチンと、麻疹風疹のように妊娠中は接種できないワクチンがあります。よくわからないときは医院にご相談下さい。
より詳しく知りたい方は国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センターのホームページを参照してみてください。