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イソジンうがいについて

昨日イソジンうがいがコロナの重症化を防ぐ!的な報道があり、日本中イソジンの買い占めが行われております。転売も絶好調で行われています。

昔から風邪を引いたらイソジンうがい、という文化がありましたが、2005年に京都大学で質の高い研究があり、その後イソジンうがい液は保険診療から外され、昔の医療といった感じです。僕はもう長い間処方したことがありませんし、松村医院には置いてません。

 

2005年の研究は、簡単に言うと

・水うがいのほうが効果あり

・イソジンうがいはむしろ有害だろう

というわかりやすい結論です。

 

科学的根拠ゼロのテレビ報道に惑わされないようにしましょう。うがいをするなら水で十分ですし、もはやイソジンうがいの存在意義すら無いと思います。

 

↓に貼っておきます。

 

 

Topics 水うがいで風邪発症が4割減少 (2005.12.6)

世界初の無作為化試験で実証

 

保健管理センター・川村 孝(京都大学教授)

http://www.kyoto-u.ac.jp/health/006.htm)より採録

 

風邪の予防策としてうがいは当たり前のように行われているが、日本独自の衛生習慣であり、またその有効性は十分に検証されていない。そこで2002年から2003年の冬季に北海道から九州まで全国18地域で、うがいの風邪予防効果を世界初の無作為割付の研究で検証した。
 ボランティア387名を募り、くじ引きで「水うがい群」「ヨード液うがい群」「特にうがいをしない群」の3群に割り付け、2ヶ月間にわたって割り付けられたうがい行動をとってもらって風邪の発症を追跡した。その結果、発症率はうがいをしない群の1ヶ月あたり100人中26.4人に対して水うがい群は17.0人、ヨード液うがい群は23.6人であった。多変量解析で群間のばらつきをそろえると、水うがいをした場合の発症確率はうがいをしない場合に比べて40%低下することになる。一方ヨード液うがいでは12%の低下にとどまり、統計学的にも意味のある抑制効果は認められなかった。
 水の乱流によってウィルスそのものか、埃の中にあってウィルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流されること、水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮したことなどが考えられる。またヨード液でそれほど効果が出なかったことについては、ヨード液がのどに常在する細菌叢を壊して風邪ウィルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害したりする可能性が考えられる。
 風邪は誰でもかかる健康障害であり、風邪の治療に約6000億円の費用がかかっていることをも考えると、水によるうがいという単純な保健行動の影響は大きいかもしれない。なお、この研究は米国予防医学会機関誌の最新号に掲載された。